読書歴30年超えの私が、読書を生涯の趣味にする5つのメリットを紹介する

保育園のときから本を読んでいるので、なぜ本を読むのか考えたこともありません。歯を磨くのに理由など考えたことのないように。
本を読むと世界が広がるとか、語彙力が上がるとか言うけれど、それは結果であって理由ではありません。ただただ楽しいから幸せだから、本を読んでいるだけなんです。最初のページをめくるとき、本のページをめくる手が止められないとき、自分が自分であることを忘れるくらい物語に没頭するとき。この快感、感覚は読書でしか得られません。最近のツイッターで「読書家はただの中毒者だ」みたいな投稿を見たけれど、まさにそのとおりです。

本を読まない人に、本にハマる感覚を伝えようとしてもなかなか難しい。でも読書を趣味にするメリットなら、感覚的なものではない分、伝えられるのではないか。読書をメリットで考えたことが無かったのだけれど、改めて考えてみると、老後の趣味にもってこいなのではと思えてきました。それにほとんどデメリットというのが思い浮かびません。
だから今回はあえてメリットデメリットの観点で、読書の魅力を伝えようと思います。

意外とお金がかからない

確かに本は高いです。私が若かったときより確実に価格は上がって、単行本で2千円近く、文庫本でも7,800円します。なかなか気軽に買える値段ではありません。
でも最新刊にこだわらなければ、どこまでも節約できるのが読書。それぞれにメリットデメリットがあるので、自分にあった方法を見つけていくとよいです。

まず圧倒的にお金がかからないのが、図書館で借りるという方法。何しろタダです。
ただし人気のある本は順番待ちとなり、時には百人近くの予約待ちという場合も。気になったらすぐ読みたいという人には向かないでしょう。
また返却期間内に読まなければいけないので、自分のペースで読みたい人には窮屈かもしれない。
私は借りに行ったり、返しに行ったりが面倒なので図書館の利用はしていません。私みたいなズボラな人も向いてないと思います。

電子書籍派であれば、電子書籍の定額読み放題がおすすめ。
Kindle Unlimitedなら和書(書籍、マンガ、雑誌)と洋書で200万冊以上が読み放題の対象になっています。月額980円でこれはお得なんじゃないでしょうか。スマホ、タブレット、パソコンで利用できるので初期投資もいりません。
ただし現在進行系で人気のある作品は読み放題の対象ではなく、人気が落ち着いた作品や、マイナーな作品が多いみたいです。

私が一番利用しているのは中古の本を安価で購入するという方法です。
以前はブックオフで掘り出し物を探していましたが、今はネットで簡単に購入できます。発売して数年たっている本であれば、500円以内できれいな本が手に入るんです。スマホをちょっと操作すれば、2,3日でポストに本が届いているのは、本当にズボラにとってはいい時代になったなあと思います。
ただやはり最新刊はすぐには入荷しないので数ヶ月待たなくてはならない上に、値下げ額は少ないので、結局書店で新刊を買ってしまうこともたまにあります。

まあ、やっぱり最新刊をすぐに読みたいときは、定価で購入するしかないってことですね。

本は比較的売り買いが簡単なので、終活の断捨離もしやすい

中古で買うのが簡単なものは、売るのも簡単です。本は特にサイクルが早く、私も1度読んでもう読まないかなという本はわりと売るようにしています。本を捨てるのはしのびないですし、早く売ったほうがそれだけ買取額も高いです。それにもう自分は必要としてない本でも、他の人には必要だったりもするので、そういう人の手に渡るなら多少損してもいいかなと思ってます。いつまでも読まない本で場所を取ってしまうほうが損ですし、読み返したくなったらまた買えばいいだけの話です。私は本をリュックに乱雑に入れて持ち歩くので、傷まないようにブックカバーをつけています。それだけでかなり本がきれいに保てます。自分の手元に残すにしても、売るにしてもやっぱりきれいなことにこしたことはありません。
手っ取り早くブックオフに持ち込んでもいいですし、大量にあるのなら出張買い取りもやっています。最近はWebで申し込みをして、家まで集荷に来てくれるお店もあるのでさらに手軽になっています。

私のような独身はやはり孤独死する可能性を避けられません。
私が死んだ後処理をしてくれる方の負担を減らすためにも、晩年の荷物は最小限にしておきたい。そうなるとまだ体が動く今のうちから、断捨離を始めるのがベストなのでしょう。本は溜め込むのではなく、流動的にしておきたいです。そうは言ってもやはり、本棚はパンパンだし、積読もしてしまうのだけれど。

一番いいのは全部電子書籍にしてしまうことです。場所も取りませんし、断捨離する必要もありません。
でもやはり私は紙の本を止められないのです。いよいよ自分の死期を実感するときになったら、手元に数冊残し、後は電子書籍にしようかと思います。70代の私の親でさえ、タブレットを使いこなしている時代。たぶん私も大丈夫でしょう。

年老いて体力が落ちても続けられる

40代になり、フェスとライブがめっきり辛くなってきました。いや、楽しいんですよ。止める気もないんですけど、終始全力で楽しんでしまうと、次の日仕事にならない。所々で休憩を入れて、ほどほどにはしゃぐようにしています。もっと若いときにたくさんライブに行っとくんだったと、つくづく後悔しています。足腰が大丈夫なうちはライブ通いすると思うんですけど、やはりいつかは引退する日が来るでしょう。

それでも私はそんなに残念に思っていません。年齢によって興味が移っていくのは当然のことで、それでも私は一生読書から興味を失わない、いや失えない自信があります。趣味は変わっていっても、読書という生きがいはずっとある。それだけで独身生活を一生退屈せずに過ごせます。

読書は体力が衰えても、足腰が弱っても続けることができます。正直体力と集中力も必要とするので、若いときみたいに一晩ぶっ続けで、読書をすることはできなくなりました。それでもすきま時間で、マイペースにできるのが読書のいい所。電波や場所を気にせずに、いつでも始めて、勝手に終わることができます。逆にめちゃくちゃ面白い本に出会ってしまったら止まらなくなって、一気に読んでしまい、達成感と疲労感を味わうのもいい。
病気になってもベッドの中で読めます。ただ老眼になってしまったらどのくらい読めるものなのか、私にはまだ分かりません。

体が弱ってきた上に、何の刺激も無い生活を送っていると更に老け込んでしまいます。人が本を読んでいる姿は一見淡々として見えますが、私たちに見えないだけで、本を読んでいる人の中では色んなことが起こっているのです。様々な思考が次々と頭の中を巡り、時に人生観が変わってしまうほどの衝撃を受けるときもあります。人生で培った経験や常識が本の内容と結びつくこともあれば、逆にひっくり返されることもあるのです。

年老いてからも刺激的な生活を送るのは難しいものです。
若者の文化を楽しむことはもうできないだろうし、新しいことを始めるのも何だかおっくう。でも刺激を受けるとは、何もハラハラドキドキすることだけではありません。心を動かされることも刺激を受けることなのです。
年老いてもなお、刺激を受けて若さを保ちたいものです。

今の時代、もはや読書は一人でするものではない

周りに本を読む人がいなかったので、誰かと本の話をするでもなく、ずっと一人で楽しんできました。
しかし時代は変わり、本を好きな人とつながるのがとても簡単になりました。ネットの中には本の感想が溢れかえり、読書会に行けば本が好きな人と直接会えます。
特に読書会はおすすめ。基本的には20代の若い人が多いのですが、様々な年代の人が集まる読書会というのもあります。
読書会のタイプも様々で、ビジネス書をみんなで読む意識高めのものや、課題本の感想をお互いに話すもの、テーマに沿った本を自分で選んでそれを紹介するものもあります。

普通だったら初対面で、自分の恋愛観や人生観を話す状況はあまりありません。ところが読書会では本の感想として、そういった深い話をすることも自然。いきなり相手の内面を知ることができるのです。大手の読書会では、カップルができたり結婚することも多いそうですが、よく分かります。
しかも本が好きな人って、やっぱり語彙力が豊富で表現が上手くて、話が面白い人も多いんですよね。基本的に考えることが好きだから、議論も好きだし。かと言って、相手を論破とか否定もしません。ハマる人はハマって何回も通い、お互いに顔見知りになることもあるので、本が好きな友達が欲しい場合は最適だと言えるでしょう。

ここまで読書会を薦めといてなんなんですが、私は読書会に数えるほどしか参加したことがありません。私はサービス業なので土日に行われる読書会に参加することは難しく、また休みの日にまで初対面の相手とコミュニケーションを取らないといけないのは、非常に精神をすり減らします。順番に感想を話していくときも、他の人が話している間に次に自分が話すことを考えていて、あまり集中して聞けません。楽しいのだけれど、ちょっと疲れる。すっかり読書会からは足が遠のいていました。

最近LINEのオープンチャットの読書サークルに入りました。
これがすごくいい!すき間時間にチャットを見られるし、決まった時間にみんなで集まる読書会も自宅でできる!
読書会の紹介文をあらかじめ用意しておけるので、自分が何を話すか考えることもなく、みんなの紹介文も一つ一つちゃんと読めます。次々とメッセージが飛び交うので目がちょっと疲れますが、リアルタイムで本の話ができるのが本当に楽しい。自分が紹介した本についてメッセージが多かったりすると、やはり嬉しいものです。
ほとんどのメンバーが女性なのですが、どんどん話が脱線していくのも、女性っぽいなと思います。

そして何よりみんな本当に本が好きなんですよね。私より断然本に詳しくてガチの読書家なので、入部した当時は「私、場違いだったかな」と思ったのですが、もうみんなに色々教えてもらうつもりで参加してます。そしてそんな私でもみんな受け入れてくれる。オフ会はしたことないので、みなさんにはお会いしたことないんですけど、今の距離感が私にはちょうどいい。

読書を通じて人と関わる最大のメリットは、自分の読書の幅が広がることです。
やっぱり自分だけで読んでると、本のジャンルとか作家さんが偏ってしまうんですよね。人から本を紹介されることで、知らなかった本を知ることができ、少しジャンルを開拓できました。私は読書会で紹介された本の中で、読んでみたい本を1冊選び、読むようにしています。サークルに参加しなければ、一生手に取ることのなかったであろう本を読むのは少し不思議な気分です。私には子供がいないので、児童書とか全く縁が無かったですし。
オープンチャットなので、後日本の感想を伝えることもできるのもいいところです。

今まで興味が無かった本を読むようになったのは、やはり部員たちの紹介文に文才と熱があるからでしょう。
私は部員たちの読書愛に溢れるコメントを読みたくて、参加しているのかもしれません。LINEであっても面白い文章を求めてしまう。本好きの性ですね。

インプットとアウトプットが同時にできる。それも読書会の大きなメリットでしょう。

読みたい本が無くなることが絶対にない

本好きの最大の悩み。読みたい本を全部読むには、人生は短すぎるということ。
働いていると、なかなかまとまった読書の時間が取れません。休みの日は疲れでぐったりする時間も必要です。昔だったら老後にゆっくり時間を取ることも可能でしたでしょうが、今は70才になっても働かなくてはいけない時代。それなのに読みたい本はどんどん増えていく。面白い作家さんを見つけたら全部読みたくなるし、ネットや書店で見かけた本、賞を取った本、サークルや「ダ・ウィンチ」で紹介されていた本。なかなか1冊を読み終えることができないのに、私の読みたい本リストは一方的に増えていきます。
人生の折り返し地点に差しかかり、もう私が死ぬまでに読みたい本を全部読み切ることはできないだろうなと悟っています。

ネットで独身が揶揄されるときに「趣味なんていつか飽きる」とよく書かれていますが、まったく分かっていません。本気で一つのことを極めようとすれば、ゴールなんて存在しないのです。
「趣味なんていつか飽きる」というのは、その人が本当に心から夢中になるものを見つけてないだけ。
生きるのは面倒くさいし、別にそこまでこの世に未練は無いんですけど、まだ読みたい本があるから生きられる。そんな気がします。

ただ読みたい本がありすぎるあまり、いざ死期が近づいたときに生に執着してしまい、死ぬが怖くなってしまうかもしれないのはデメリットですね。

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